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八王子中屋BOX
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(写真提供:こんどうさん こんどうさんの写真館

9月4日(土)「第482回ダイナミックグローブ/第27回ファイティング・スピリット・シリーズ/Wタイトルマッチ」

【メインイベント】
東洋太平洋&日本 S・ウェルター級タイトルマッチ 12R

チャーリー太田(東洋太平洋&日本S・ウェルター級チャンピオン/WBA世界同級13位/WBC世界同級27位/八王子中屋/16戦14勝10KO1敗1分)
 vs
湯場 忠志(挑戦者 東洋太平洋S・ウェルター級7位/日本同級1位/都城レオスポーツ/44戦37勝28KO5敗2分)

 結果…判定勝ち 3-0(115-114,116-113,116-113)

  チャーリーVS湯場、高め合った互いの感情

 会場に訪れ、一緒になって応援ししてくれた皆さん、本当に有り難うございました!

 9月4日、後楽園ホールで満員の観客の中で行われた東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチは、王者のチャーリー太田選手が指名挑戦者である湯場忠志選手を12回まで競い合い12回3−0の判定により勝利、東洋タイトルは2度目、日本は初の防衛に成功しました。

 試合の終盤、リングに立つ両者が見せた打ち合いは、二人の勝利に対する執念であったと同時にまた、観客の皆さんが呼び起こさせたものでもあったのかもしれません。

 多くの人が声を出し、手を叩き、応援し、そして何より誰もが楽しんだ事が、この試合を大きく盛り上げた最大の理由なのかも知れません。

 そんな会場の中心にいたのがこの二人のファイターでした。

 リング中央、視線を相手に向ける王者と、視線を下に向ける挑戦者、二人の視線は絡み合う事なく試合のゴングが打ち鳴らされました。

 初回、チャーリーは距離を測るようにしてジャブを放ち、その後ボディに右ストレートを叩き込んでいく。一方、相手の湯場選手は身体に力みが見え、パンチと動きにいつものスピーディーさが見受けられません。そこでチャーリーはガードを下げトリッキーに動く中、主導権をにぎります。

 その後、序盤は中々自分から仕掛けてこない湯場選手に対し、にじり寄るようにしてチャーリーが追う展開になっていきます。その中で、あらゆる意味を込めたパフォーマンスや時に固いガード、またはノーガードを見せ、様々な形でプレッシャーをかけて行きました。

 4回からの湯場選手は固さが抜け、軽快にパンチを上下に放ち、足を使い試合にリズムを持たせます。チャーリーはそのリズムを崩すためによりシャープなジャブを打っていき対抗しました。

 中盤は湯場選手が見栄えの良いまとめたパンチを出し、反撃に出たチャーリーにカウンターを狙ってきました。チャーリーはノーガードで追いかけ回し強打を打ち込む等して、互いの激しいペースの奪い合いが展開されていきました。

 そんな中、7回まで殆どのパンチをブロックしていたチャーリーでしたが、初めて湯場選手の左ストレートを連打の中で直撃させられました。やはり伝家の宝刀、湯場選手の左ストレートは強力で、チャーリーは一瞬足が揃って棒立ちになりました。しかし、その後はしっかりとガードを堅めそのピンチを凌ぎます。
 
 そして8回までのオープンスコアでは一者が湯場選手を、一者がチャーリーを、そしてもう一者がイーブンとしてここまでは三者三様のドローとなっておりました。

 試合後もチャーリー自身が語るよう、湯場選手のパンチのほとんどはガードの上であり、自分のジャブがよりクリーンヒットしてポイントに繋がっていると考えていた為、このスコアには本人は驚きは感じていました。が、またその可能性はあった、とも陣営は感じていました。湯場選手の攻撃時に浴びせられる大きな声援が、彼の感情の籠った動きと会場の雰囲気を作り上げてもいたとも感じられたからです。

 その意味で、この日のホームは王者であるチャーリー太田のものではなく、より観客を呼び寄せた挑戦者、湯場忠志選手のものだったのかもしれません。

 その為、前回の試合ではより自分のペースにもポイントにもなっていたデビッドソン戦(詳しくはこちら)のようなイメージ、パフォーマンスだけで戦っていてはポイントを得る事が難しいのだとチャーリーは気づきます。

 そこからチャーリーはより攻勢に出ました。より速く強いジャブ、ストレートを打っていき、ボディにフックを叩き込んで湯場選手を次第に後退させていきました。

 そうして迎えた11回、チャーリーが開始と同時に前に出てアッパー、ストレートをねじ込んでいくと、湯場選手もそれに応えるように前傾姿勢になり左右のフックを、上下に叩き込んで来ます。この二人の攻撃的な姿勢に会場も大きく盛り上がっていくと、湯場選手が力強い左右のフックをチャーリーに叩き込み、両のグローブを弾いて叫びました。

 あの湯場が叫んだ、

 自分自信を奮い立たせるとともに、会場にいる彼を応援してくれている人達へのメッセージでもあったのかもしれません。湯場選手は更に連打を打ち続けチャーリーを責め立てました。

 が、次にチャーリーが固めたガードから右フックを一振り、その一撃で湯場選手を後退させ、今度は彼が一声を上げました。湯場選手の叫びはチャーリーにも伝わったのかもしれません。

 そして互いの選手がパンチを、応援する人達が声援を交互に浴びせる中、チャーリーが再三右を当て抜け出し、湯場選手に猛然と襲いかかっていきます。馬力あるチャーリーの攻めがこの終盤に残されていたのです。

 最終12回、チャーリーは挑戦者を最後まで追い、湯場選手も王者の猛攻を凌ぐとともに反撃、最後はチャーリーが自ら決めようと強打を打ち続けた中で試合が終了のゴングが打ち鳴らされました。

 判定の結果は3−0で王者の防衛。試合後の控え室で湯場選手は「もう一度チャーリーとやりたい」と現役続行宣言したそうです。

 試合翌日のコメントでチャーリー自身も、そう遠くはない日、また僕らはリングの上で出会うかもしれないと、感じているようです。

 KO必至と言われたこの二人の試合、あるいは完全な決着はもうすこし先にあるのかもしれません。

 両選手、両陣営、試合に携わった皆さん、そして観客の方々、お疲れさまでした。更に本当にどうも有り難うございました。

 そして、また宜しくお願い致します!

この日の写真と動画・両選手のコメントはこちら
 

 *明日は荒川仁人VS大村光矢の日本ライト級タイトルマッチのリポートです。

チャーリー太田情報ブログ


第27回ファイティング・スピリット・シリーズ観戦ガイド

◎八王子中屋ボクシングジム interview room
チャーリー太田インタビュー【2010/9/4 東洋太平洋・日本タイトル防衛戦】(9.2up)
荒川仁人インタビュー 【2010/9/4 日本タイトル初防衛戦】(8.24up)

◎東日本ボクシング協会公式携帯サイトボクシングモバイルの試合速報(有料)にも、試合内容と画像がUPされています。(無料ページもあります)

*TV放映の予定(CS放送日テレG+)
9月9日(木)23:00~26:00
9月18日(土)25:00~28:00
9月24日(金)13:00~16:00
7月17日(土)「MegaFight 39」〈後楽園ホール〉

◎S・フライ級 8回戦

山口 桂太(八王子中屋/16戦6勝2KO9敗1分)
vs
大久保 雅史(青木/東洋太平洋フライ級11位/日本同級3位/20戦16勝5KO3敗1分)

 結果…7RTKO負け

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 山口桂太選手の2度目となるランカー挑戦は、自分のペースに持ち込む事が出来ず、数多くの声援を受けましたが7回TKO負けとなりました。

 序盤、いつも以上にジャブと足を使う桂太に対し、前東洋王者の大久保雅史選手はガードを固め前傾姿勢で右を合わせてきました。

 ボディにジャブやフックを打ち、前後左右に動き回る桂太でしたが、タイミングを掴まれクリーンヒットを許し、中々自分のペースへ持ち込むことができません。

 中盤に上下打ち分けてリズムを掴んだかに見えたシーンもありましたが、それ以上に被弾してしまい、相手との自力の差が出て来てしまいます。

 そして後半に入り、ボディを中心に桂太は攻めるも、試合巧者の前東洋王者に要所、要所でパンチを当てられ山場を作ることができませんでした。

 最後は7回に被弾が続いた事でレフェリーが試合をストップ、7回TKO負けとなりました。

 前回の初挑戦では一時は相手を倒し、後一歩まで迫る内容を見せてくれました。その余韻も冷めぬ中、皆の期待を感じ今度こそは、心と身体の準備をしっかりとしてこの試合に臨みました。しかし、それを今回のリングの上で証明することができなかった事が悔やまれます。

 チケットを一枚、一枚購入してくれたお客の方々や彼の仲間達の声援は力強く、最後まで一緒に戦ってくれました。しかし今回、桂太は前回以上の感動を敗戦の中で見せる事が出来ませんでした。

 桂太はもう一度リングに立つ決意をしています。

 そんな彼にはまず身体を休めてもらいたいです。

 完敗の中で得たものは何か、桂太の答えを待ちたいと思います。皆さん、背中を押すような大きな声援、本当に有り難うございました!

試合翌日、山口選手から送られてきたコメントです。

「今回は情けない試合でした。 これを最後に引退するのは悔しすぎるのでまた地道に頑張ります。 たくさんの声援やサポートありがとうごさいました。」



写真提供:こんどうさん
こんどうさんの写真館(下の4枚以外の写真もUPされています。)

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写真提供:渡邊文幸
渡邊文幸PhotoGallery(下の4枚以外の写真も沢山UPされています。)

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7月16日(金)東日本新人王予選〈後楽園ホール〉

◎ライト級 4回戦

林 和希(八王子中屋/4戦3勝3KO1分)
vs
川村 恵二(フラッシュ赤羽/7戦3勝4敗)

 結果…3R1分57秒TKO勝ち


◎ミドル級 4回戦

横田 知之(八王子中屋/1戦1勝1KO)
vs
岩﨑 和雄(ロッキー/1戦1勝1KO)

 結果…1R2分4秒TKO負け


 7月16日、後楽園ホールで行われた東新人王予選に林和希選手と横田知之選手が出場しました。

 その内容を語るとするなら、

 横田は試合を相手よりも優位に進め、会場を沸かし、林は相手からペースを奪えぬも、会場を自分の雰囲気で包んだ、と言えるのかもしれません。そんな二人の試合が第6試合、第7試合と続いて行われました。
 
 第6試合、林和希のプロ第5戦目。それは静かな立ち上がりでした。

 ガードを堅めて相手の出方を伺うように、あるいは無視するようにして試合を流す林。手数の少なさ故、ポイントは相手に奪われているやも知れませんでしたが、彼の放つ一撃のスピード、一撃のパワーは観客達を引きつけるには十分で、試合は静かなままでは終わらないであろう事を感じさせる中、進んで行きました。

 そして迎えた3回、林はようやく仕掛け出します。パンチの打ち終わり後、身体を預けクリンチをしてくる相手にフックやアッパーを打ち込み、距離が開いた所で右フックを一振り。相手の頬を切り裂きました。

 その傷口のドクターチェック間もその後も、冷静だった林はしかし凶暴に相手を殴りつけます。速く力強い連続ブローでクリンチしてくる相手をガードの上、そしてその間にねじ込み続け、レフェリーの2度目のチェックを呼び込みます。そしてここで試合が終了、林の3回TKO勝利となりました。


 そして続く第7試合、横田知之のプロ第2戦目。それは積極的なパンチの交換から始まりました。

 ガードを上げジャブを軸に、打ったら前後左右に移動し、タイミングよくパンチを当ててペースを掴みます。相手の岩崎選手も左右のパンチを力強く振り回し応戦していきました。

 そんな打ち合いの中で1回も中盤に入る頃、ロープに詰めた相手を横田は左アッパー右ストレートの連打を好打し、続けて放った右ストレートで相手をロープに吹き飛ばしてダウンを奪いました。

 試合再開後も横田はガードを堅め、身体を左右に振ってジャブを当てペースを保つ中、向こうはフックを振り回しながら距離を縮めてきました。その距離に身を置き、打ち合った瞬間でした。相手に応じた横田が右フックをカウンター気味にもらい、続く左を痛打され崩れるようにキャンバスへ倒れ込みました。間髪入れずレフェリーが試合をストップ、横田の1回逆転TKO負けとなりました。

 その結果を見るのなら、

 林はきっちりと勝利し、トーナメントの次に進み、横田は逆転される形で、トーナメント敗退となりました。

 それでも今回の試合で、結果を残し次に繋げた林と、内容を見せたことで次に繋げた横田、二人にとって重要なのは何よりも”ここから”なのかもしれません。

 林には次の試合で、結果とともに内容を見せてもらいたい、横田には次の復帰戦で、内容とともに結果を残してもらいたい、そう思わせる、二人の試合でした。

 そして!今年東新人王戦に八王子中屋で勝ち残ったのは林和希のみとなりました。彼にはトーナメント特有の勝ち上がる事で積み重なるものを感じ、次の試合も頑張ってもらいたいと思います!

 二人の為に多くの応援、有り難うございました!




林和希選手の試合(写真提供:こんどうさん)

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横田知之選手の試合(写真提供:こんどうさん)

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6月29日(火)「第7弾"The GREATEST" BOXING/OPBF東洋太平洋S・ウェルター級タイトルマッチ」

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【メインイベント】S・ウェルター級 12R

チャーリー太田(OPBF東洋太平洋・日本S・ウェルター級チャンピオン/WBC世界 S・ウェルター級38位/八王子中屋)
 vs
キング・デビッドソン(挑戦者 東洋太平洋S・ウェルター級1位/WBA世界同級13位/PABAチャンピオン/豪州/12戦12勝6KO)

 結果…判定勝ち 2-1(114-115,117-110,118-109)


チャーリー太田、世界ランカー撃破!次はVS湯場戦を目指す!

 会場に駆けつけてくれた皆様、あるいは来なかっ、、来れなくとも祈っていてくれたであろう皆様、本当に応援有り難うございました!

 6月29日、チャーリー太田選手の東洋太平洋スーパー・ウェルター級タイトルの初防衛戦は1回に喫した痛烈なダウンも、その後に立て直し、逆転し、圧倒する形で初の12回を戦い抜き、2−1の判定で見事初防衛に成功しました。

 この試合、チャーリーには皆様の声が本当に力になり、リング上でもそれを体現してくれる程、自分のボクシングを見せてくれました。それは彼の本物の成長だったのだと思います。


「ベルトは2つとも持ちたい。誰とでも構わない、強いやつと戦いたい。」

 今年3月末、2冠王者となった後、チャーリーはジム側にそう伝えました。

 2つのベルトを獲得した時、チャーリーには既に一つの指名挑戦が定められていました。それはここ数ヶ月引き延ばされ続けていた東洋太平洋の指名挑戦を受ける事。その相手が元オリンピック代表に選考され、アマチュアでも凄まじいレコードを残し、プロでも無敗、既に複数の地域タイトルを持つ世界ランカー、キング・デビッドソンという、未知の相手との試合を受けねばならぬ事だったのです。

 極めて危険な相手との初防衛戦、日本開催だとしてもビジネス的に厳しいオーストラリア陣営。東洋タイトルを捨て、日本タイトルを防衛し続けるという選択肢もあった中、チャーリーのその決断にジム側も応え、対戦のスケジュールを模索しました。一時は相手国に乗り込む事も考えた中、様々な支援があり日本での開催が決定しました。
 そうしてチャーリーは日本で迎える初防衛戦、最強挑戦者、攻略に向け、今まで以上の厳しいトレーニングを積んでこの日を迎えました。

 そうした中で行われた昨日の後楽園ホール、『The GREATEST BOXING』のメインイベント。リング中央に対峙するのは褐色の肌を持つ両者、方やアメリカン・アフリカン、もう一方はアフリカン、日本の地でアジアナンバー1を決める以上の意味合いを感じさせる両者の間で、試合開始のゴングが打ち鳴らされました。

「何が起きたのか分からなかった。」

 チャーリーは1回に起きた事に対しそう振り返りました。

 初回、最初に積極的な攻めを見せたのは王者のチャーリーで、右ストレートをボディに打ち込んでいきました。それに対し、挑戦者デビッドソンは長身のサウスポースタイルから距離を取り、インサイドに侵入して来るチャーリーに強振のフック、アッパーで対抗してきます。

 そして初回が残り30秒に差し掛かる頃、ボディを狙ったチャーリーに対し、デビッドソンが絶妙のタイミングで左アッパーを痛打、そしてフォローの右フックでチャーリーをなぎ倒しました。チャーリーキャリア初のダウン、痛烈なダウンでした。

 立ち上がるもダメージの残るチャーリーは、再開後にガードを固め、打ち返しますがバランスを崩し、追撃される事でストップされてもおかしくない中、何とか1回終了のゴングに救われました。

 インターバル中、会場も大きなどよめきがおきていました。チャーリーが今までのた試合で見せてきた、無類の打たれ強さを知っていれば尚の事、このダウンは大きなショックを王者サイドに与えました。

 しかし続く2回、前の回そのままの勢いで攻めて来るデビッドソンに対し、チャーリーが見せたのは前に出る事、でした。

 ガードを固め、攻めて来る相手に対し右のフック、ストレートをヒットさせ、打ち合いに持ち込みました。その時点でチャーリーがダウンのダメージを既に感じさせなかった事に、彼の回復の早さ、ダウン時に頭を打ち付けなかった首の強さを改めて感じさせました。

 そんなチャーリーのアクションに対し、デビッドソンがとったリアクションは攻めきる事ではなく、距離をとり、チャーリーの届かない位置でのみのフルスウィングパンチ、近距離での打ち合いはクリンチで凌ぐことでした。

 そうして続く序盤、チャーリーは初回から続けて来た右のボディショットを挑戦者に効かせペースを掴むと、近距離での左右フックを何度もジャストミートさせ、相手を棒立ちにさせていきます。

 中盤、そうした攻撃から逃れようと、足を使い距離をとろうとするデビッドソンに対し、チャーリーは挑発的ともとれる動きを見せます。腕を回転させたり、ノーガードを見せたり、軽快なステップを刻んだり、と、余裕を見せて距離を詰めて行きました。そんな行為を見せられた挑戦者でしたが、彼は前に出て来ませんでした。あるいは出れなかったのかもしれません。

 手を出せば乱打戦に持ち込まれる、1発の威力ではかなわない、何よりボディが効いて疲労が溢れ出ている。それ故に王者の挑発に対し、答えを出せないでいる挑戦者はまるで、彼にはもう既に残された武器がないかのように動き回り、時折のスイッチ、連打、強振を見せるだけでした。

 ダウンを喫した1回以降、序盤、中盤、そして終盤に入るまで常にチャーリーがアクションを起こし、試合の流れを掌握して行きました。それは前回のWタイトル挑戦時には見れなかった彼の大きな成長と呼べたのかもしれません。

 前回の試合、チャーリーは大方の予想と反し、苦戦を強いられました。相手の柴田選手のアウトボクシングが冴えていた事を差し引いても、チャーリーは相手がスタミナをきらすまで自らチャンスを作る事が出来なかったのです。

 最終的にはチャンス時に見せた爆発力で逆転の終盤TKO勝利、結果はしっかりと残す事が出来ました。

 しかし、この試合は喜び以上の反省が残り、それはそのままこの日の試合へ向けての課題となりました。その課題を要約すれば、いかにして自分からペースを作って行くか、ということ、そして何よりセコンドの指示、リングの上で起きている事を絡めて状況を判断する事でした。

 そうした中、この日の試合で課題克服の答えを出したのが、中盤に見せた、手をお互いが出さない時間帯での駆け引きで、自分のペースを作る事、セコンドの指示から試合を組み立てた事でした。

 チャーリーは回りの声を聞く中で、自分のボクシングも織り交ぜ、リン上、会場のペース自体も自ら掌握していきました。

 そうして終盤残りの3回はほぼ試合の行方は決まる中、王者が挑戦者をフィニッシュ出来るかに注目が注がれました。

 しかし、相手も他の団体や地域タイトルを持つ王者であり、世界ランカー、ジャブをもらってさえも棒立ちになる中、最後まで力のこもったパンチを振るってきました。そして最後まで立ち続け、両者打ち合う中で試合終了のゴング。試合は判定での決着となりました。

 最初のジャッジは1ポイント差でデビッドソンを指示、会場が大きくどよめきます。初回以降、チャンスらしいチャンスを見せなかった挑戦者の名前が呼ばれたからです。しかし続く二人はチャーリーを指示し、2−1の判定でチャーリーが初防衛を果たしました。

 この日の完勝により、チャーリーは改めて2冠王者となり、そしてデビッドソンが持っていた世界ランクも手にする事となりました。

 前回の試合で見せられなかったものを、この日チャーリーは見せてくれ、その成長に更なる飛躍を感じさせてくれました。

 そんなチャーリー、早くも次の試合が”ほぼ”決まっております!

 日時は9月4日(土)相手は予告通り、この日のセミで行われたチャーリーが持つ日本タイトル挑戦権獲得試合に痛烈な2回TKO勝利を収めた、湯場忠志選手!

 詳しくは後ほど更に詳しくお伝えします!

 本当にこの初防衛戦、多くのご声援有り難うございました!『"The GREATEST" BOXING』でプロモートして下さった戸高会長、有り難うございました!大会支援をして頂いたスポンサーの方々有り難うございました。そしてチャーリーの初防衛戦の支援をして下さった凌南運輸太田社長、本当に有り難うございました!

 皆さん、次回のチャーリー太田の防衛戦も楽しみに待っていて下さいね!


 さらに!一部、判定に対し意見が分かれているようですが、そんな方々にももう一度それを検証するチャンスがありますよ!

 ケーブルテレビ、スカイA sports+さんで録画放送があります!

 日時はご覧のようになっておりますよ!是非、放送もご覧になって、この試合を振り返ってみて下さい!

 *TV放映の予定(スカイA sports+)
7月9日(金) 22:45~24:45
7月12日(月) 22:15~24:15
7月15日(木) 23:00~25:00

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チャーリー太田選手のコメント

「 It was a good fight. I got knocked down for the first time but I got back up to show I am a true champion...〓
 Hmm that punch wasn't that hard I felt but the worst thing was I didn't see it. But after I just got up and continued fighting and listened to my coner...      Everyone thank you always for the support...」

(今回はとても良い試合でした。1Rにダウンをしてしまいましたが、そこから挽回し、自分が真のチャンピオンだと見せられたと思います。
 まぁ、あのパンチはそんなに強いパンチではありませんでした。しかし悪かった事に自分には見えていませんでしたね。しかし、その後はしっかりと立ち上がり、自分のコーナーの指示を聞きいて戦い続ける事が出来ました。
 皆さん、いつもサポートしてくれて有り難うございます。」


動画をUPしました。携帯からも見られます。


2010.6.29 チャーリー太田初防衛戦1(携帯用)


2010.6.29 チャーリー太田初防衛戦2(携帯用)


写真提供:こんどうさん
こんどうさんの写真館(下の8枚以外の写真もUPされています。)

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チャーリー太田情報ブログ

試合組合せ表(日本ボクシングコミッションHPより)

◎八王子中屋ボクシングジム interview room
インタビュー 【2010/6/29 東洋太平洋タイトルマッチ】(6.27up)

◎東日本ボクシング協会公式携帯サイトボクシングモバイルの試合速報(有料)にも、試合内容と画像がUPされています。(無料ページもあります)
6月24日(木)「最強後楽園」日本タイトル挑戦権獲得トーナメント〈後楽園ホール〉

◎ライト級 6回戦

丸山 伸雄(八王子中屋/日本ライト級11位/15戦11勝2KO3敗1分)
vs
中森 宏(平仲BS/日本ライト級9位/30戦27勝15KO2敗1分)

 結果…判定負け 2-1(58-57,57-58,59-57)


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 破れはしたが、感じさせなかった相手の強さ、見せた自分の成長!


 丸山伸雄選手の日本タイトル挑戦権をかけた試合『最強後楽園』は接戦の末、1−2の判定で中森宏選手に敗れました。

 しかし試合前、会場に足を運んだ人達の中で、どれ程の数の人達がこのような試合内容になると考えていたでしょうか?

 2003年に10代で全日本新人王となり、それ以降トップランカーとしてライト級の中心にいた中森選手、その才能あふれる動きで常に注目されて来ました。

 一方、2005年にプロデビューし、今年3月にタフな熊野選手を破って日本ランク入りを果たした丸山選手は、地味ながらも少しずつ自分の実力をつけ、ようやくこの日を迎えました。

 この2人を比較するのなら、その歴然としたキャリアと才には、明白な差を感じずにはいられないでしょう。実際にボクシングの識者であればある程、この差ははっきりと見ていたはずです。

 しかし、それでも勝負は出来るのだ、という事を丸山選手は見せつけてくれました。

 日本タイトル挑戦権獲得トーナメント『最強後楽園』ライト級準決勝。その初回、ペースを掴んだのは丸山選手の方でした。左ストレートを効果的にボディに当て、しっかりとガードを堅めることで、中森選手の攻撃を防ぎ、続く2回も左ボディ、フックそして返しの右フックと直撃させて、自ら流れを作りました。

 3回にも右フックをカウンターでヒットさせる丸山選手に対し、いつものような攻撃的なボクシングを全く展開出来ない中森選手はリズムに乗る事が出来ません。

 そうして続く後半、試合は意外な展開を見せました。あの中森選手が足を使い、ジャブを使い、リングを動き回り始めたのです。どうやら片方の腕にアクシデントが起きた様子でした。

 そんな中森選手に対し、丸山選手は追いかける形で攻め立てました。しかし、この相手のアクシデントが、逆に丸山選手にとって試合のリズムを奪っていきました。後半にこそ強者との勝負の時が来る、と丸山選手は迎え撃つ決意を、山場を作るはずだったのです。

 しかしこの相手の作戦変更に、丸山選手は上手く対応する事が出来ませんでした。それこそキャリアの差で捌かれてしまったのです。しかし、それでも試合終了のゴングが鳴ったとき、予想を覆す、という意味では丸山選手は結果を出した、とも言えるかもしれません。

 その普段の攻撃的な中森選手を知る者や、多くの応援者達はあるいは彼の前半の消極的なボクシングに悪コンディション、あるいは衰えを感じた人もいるのではないでしょうか。しかしそれは丸山選手が相手の良さをつぶした故の結果と言えました。

 もし2人を”何か”を持つ者と、持たぬ者、として分けるのなら、丸山選手は間違いなく後者でした。しかし、気づけば持たぬ者が持つ者からその”何か”を奪い取っていたのです。

 相手の打ち辛い位置に身体のポジションを置き、相手の嫌なタイミングでパンチを打ち込む。丸山選手を応援する多くの人々は、戦前に予想していた程の実力差をこの日の中森選手からは感じなかったのではないでしょうか?それこそが丸山選手の成長の証だと言えたのです。

 相手は強かった、しかし丸山も負けてはいなかった。それがこの日彼が見せてくれたものだったのかもしれません。

 今回の試合で、丸山は結果を残す事は出来ませんでした。しかし、そのボクシングを確実に進歩させた事は間違いありません。

 本人はこの結果を自分の実力としてしっかりと受け入れています。それはきっと彼をまた成長させて行く為の、糧となっていくのでしょう。

 少しずつ、少しずつ、でも、確実に。

 皆様、丸山伸雄の応援本当に有り難うございました!

「今日はたくさんの応援本当にありがとうございました。みなさんの応援が嬉しかったです。立派な応援幕もありがとうございました。
中森選手にはあと少しまで迫りましたが、その少しは大きかったです。自分の力が足りませんでした。
少し休みます。
今日は本当にみなさんありがとうございました!    丸山伸雄」



写真提供:こんどうさん
こんどうさんの写真館(下の5枚以外の写真もUPされています。)

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写真提供:渡邊文幸
渡邊文幸PhotoGallery(下の5枚以外の写真も沢山UPされています。)

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