先日、白血病で闘病中の「ジムOB影山裕峰さん」の元を訪れた、中屋会長からの報告です。
都内の大学病院に見舞に行って来ました。
無菌室で、影山とガラス越しに電話で話し、仁人の応援Tシャツをプレゼントしました。
今だから言えるけれど、仁人の世界戦観戦の時には既に病に侵されていて、結果として気力があり過ぎて発見が遅れてしまったそうです。
病院に行った時は『白血球が少ししかなく、あと2、3日で手遅れになるところだった。』と医者に言われた程の状態でした。
骨髄に臍帯血を移植し、今は順調に回復していています。
医師によると、『こんなに早く元気に回復した人は、かってなかった』とのこと。
『ボクサー時代から打たれ強く、物事をプラスにプラスに考えて行くタイプだから、絶対に治ると信じていた。』と、影山は言っていました。
今日の写真で解る様に、とても元気になって無菌室を出られるのも後少しになりました。
そんな影山に仁人へのメッセージを聞いてきました。
『全てを出しきって!』
影山らしい言葉ですね。
その影山選手についての現役時代の記事が、当時発行されていたジム広報誌「CAMPEON」に掲載されています。
ちなみに表紙は、1998年5月18に行われた寺尾新選手の試合写真。
あのマニー・パッキャオ選手との「伝説の」ノンタイトル戦でした。
ボクシング雑感…『影山の様に』
早いもので、ジム初のランカー田中光輝が生まれてから丸1年がたつ。その間に2人目のランカー寺尾新も生まれ、次々と選手が育つのを見るのは大変な楽しみである。が、皆が皆6回戦・8回戦・ランキングボクサーと成る訳ではなく、4回戦ボーイで終わる者の方が多い。
しかしその4回戦の試合でも、宝石の様に輝くものもある。それは5月4日に行われた新人王戦の予選、影山裕峰 vs 松本陽一(白井・具志堅)の試合である。2人は昨年J・フェザー級で一度戦い、影山が1R右フックでKO負けしている相手である。
それまで3連敗していた影山は、1階級クラスを上げフェザー級でエントリーした所、何といきなり松本と当たってしまったのである。それからの影山は、同じ相手には二度と負けられぬと、サウスポー対策もし、本当によく練習をした。
そして運命のゴングである。1R・2Rは完全にポイントを取られたが、3Rから場内の声援が変わりだしたのである。アマチュア出身でプロ戦績3勝(1KO)1敗1引き分けの松本がいつ影山を倒すかの興味が、もしかしたら無名の影山が新人候補を倒すかもしれない…という期待に変わって来たのである。
左目を腫らし、両目を切った影山と、右目を切った松本が両者血を流しながら殴りあう。一秒先は見えない世界。影山がマットに沈むか松本が先か?二人ともおそらく我を忘れて戦っていることだろう。4R終了間近にはセコンドの声さえも観客の声に消され、影山の耳に届かない程であった。
4R終了のゴングが鳴ると、両者の健闘に対しての温かい拍手が二人を迎えてくれた。セコンドの自分でさえも、血まみれになった影山をリング中央で迎えるとき涙が出そうになり思わず抱きついてしまった。よく頑張った。君はヒーローになったよ!もう勝っても負けてもいいではないか。魂を見せたのだから、それだけで…。リングを降りた後、名も知らぬ若い女性二人が握手を求めてきたのも嬉しかった。
誤解しないで欲しい。やみくもに打ち合えと言っているのではない。ボクシングで打たれるという事は、ボクサー生命を短くする。その代償は高くつくのだ。
『いい試合をしよう! 魂が見えるような…』
これが一番だ。大切なんだ。勝負はその次でもいいではないか。
そう思わされるような影山の試合であった。
都内の大学病院に見舞に行って来ました。
無菌室で、影山とガラス越しに電話で話し、仁人の応援Tシャツをプレゼントしました。
今だから言えるけれど、仁人の世界戦観戦の時には既に病に侵されていて、結果として気力があり過ぎて発見が遅れてしまったそうです。
病院に行った時は『白血球が少ししかなく、あと2、3日で手遅れになるところだった。』と医者に言われた程の状態でした。
骨髄に臍帯血を移植し、今は順調に回復していています。
医師によると、『こんなに早く元気に回復した人は、かってなかった』とのこと。
『ボクサー時代から打たれ強く、物事をプラスにプラスに考えて行くタイプだから、絶対に治ると信じていた。』と、影山は言っていました。
今日の写真で解る様に、とても元気になって無菌室を出られるのも後少しになりました。
そんな影山に仁人へのメッセージを聞いてきました。
『全てを出しきって!』
影山らしい言葉ですね。
その影山選手についての現役時代の記事が、当時発行されていたジム広報誌「CAMPEON」に掲載されています。
ちなみに表紙は、1998年5月18に行われた寺尾新選手の試合写真。
あのマニー・パッキャオ選手との「伝説の」ノンタイトル戦でした。
ボクシング雑感…『影山の様に』
早いもので、ジム初のランカー田中光輝が生まれてから丸1年がたつ。その間に2人目のランカー寺尾新も生まれ、次々と選手が育つのを見るのは大変な楽しみである。が、皆が皆6回戦・8回戦・ランキングボクサーと成る訳ではなく、4回戦ボーイで終わる者の方が多い。
しかしその4回戦の試合でも、宝石の様に輝くものもある。それは5月4日に行われた新人王戦の予選、影山裕峰 vs 松本陽一(白井・具志堅)の試合である。2人は昨年J・フェザー級で一度戦い、影山が1R右フックでKO負けしている相手である。
それまで3連敗していた影山は、1階級クラスを上げフェザー級でエントリーした所、何といきなり松本と当たってしまったのである。それからの影山は、同じ相手には二度と負けられぬと、サウスポー対策もし、本当によく練習をした。
そして運命のゴングである。1R・2Rは完全にポイントを取られたが、3Rから場内の声援が変わりだしたのである。アマチュア出身でプロ戦績3勝(1KO)1敗1引き分けの松本がいつ影山を倒すかの興味が、もしかしたら無名の影山が新人候補を倒すかもしれない…という期待に変わって来たのである。
左目を腫らし、両目を切った影山と、右目を切った松本が両者血を流しながら殴りあう。一秒先は見えない世界。影山がマットに沈むか松本が先か?二人ともおそらく我を忘れて戦っていることだろう。4R終了間近にはセコンドの声さえも観客の声に消され、影山の耳に届かない程であった。
4R終了のゴングが鳴ると、両者の健闘に対しての温かい拍手が二人を迎えてくれた。セコンドの自分でさえも、血まみれになった影山をリング中央で迎えるとき涙が出そうになり思わず抱きついてしまった。よく頑張った。君はヒーローになったよ!もう勝っても負けてもいいではないか。魂を見せたのだから、それだけで…。リングを降りた後、名も知らぬ若い女性二人が握手を求めてきたのも嬉しかった。
誤解しないで欲しい。やみくもに打ち合えと言っているのではない。ボクシングで打たれるという事は、ボクサー生命を短くする。その代償は高くつくのだ。
『いい試合をしよう! 魂が見えるような…』
これが一番だ。大切なんだ。勝負はその次でもいいではないか。
そう思わされるような影山の試合であった。
(文:中屋廣隆/撮影:笠原正文)
- ABOUT
八王子中屋ジム情報満載のブログです!