3月25日(木) チャレンジスピリットシリーズ 第31回/東洋&日本Sウェルター級タイトルマッチ〈後楽園ホール〉
■S・ウェルター級 12R
柴田明雄(WBC世界同級35位/東洋太平洋・日本同級チャンピオン/ワタナベ/19戦13勝7KO5敗)
vs
チャーリー太田(東洋太平洋同級4位・日本同級1位/八王子中屋/14戦12勝9KO1敗1分)
結果…8RTKO勝ち
チャーリー太田、初のタイトルマッチで逆転TKO勝利、2冠新王者に!
試合前日の計量が終わった時、チャーリー太田選手は言いました、
「明日…ヤバイよ。(笑)ヤバイ、、」
本当にヤバかった(笑)。
初回、固さの見えるチャーリーに対して王者の柴田選手はスピードあるジャブ、それを支えるフットワークでリングを駆け回りました。
そんな王者を追うようにしてジャブを放つチャーリー、しかしそれを待っていたとばかりに柴田選手は右のカウンターを合わせてきました。そしてオープニングヒットも奪うと、王者はそのままペースを握っていきました。
4回が終了し、その間のインターバルに東洋太平洋のオープンスコアリングシステムのルールによりそこまでの採点がアナウンスされました。
3者共に39−37、王者・柴田選手のリード
挑戦者として、確実に奪いにいかなければならなかった序盤のポイントをリードされたことで、チャーリーはプレッシャーを更にかけていきました。
手数が少ないながらも、重厚なプレッシャーで柴田選手に近づきボディを狙おうとしたチャーリー、しかし柴田選手は距離を保ち続けます。彼が近づけばさらに離れ、ロープやコーナーに詰まれば身体を預けるなどして、その後パンチを的確に当て王者は挑戦者を捌き続けました。
しかし、試合が折り返した7回、チャーリーが猛然と柴田選手を襲いました。荒々しいアタックで攻撃のギアを上げ、動きが鈍り始めた柴田選手を追いつめ打ち合いに持っていく事に成功し始めます。
そして続く8回、試合の展開が劇的に変わりました。
今まで、保たれ続けていた距離をチャーリーのプレッシャーが打ち破ったのです。柴田選手は今までの回で蓄積されて来た疲れが表面に現れてきたように、チャーリーが距離を詰めると足を使う事が出来なくなっていました。そうしてチャーリーは乱打戦に試合を持ち込んだのです。
左から、右、そしてまた左と一発、一発が爆発物のようなフックを打ち抜き続ける中、とうとう右を爆発させました。
柴田選手の顔面を痛烈に捉えると、よろけるようにして後退し、さらにもう一発の右を打ち抜くと、柴田選手は身体を支える事が出来ずマットに崩れました。
ダメージが明らかな、それでも王者として立ち上がって来た柴田選手に、挑戦者としてチャーリーは襲いかかりました。
そのとき、足を失った王者は打ち合いを選択。
チャーリーはこの時を待っていました。
長いラウンドの間、ポイントとペースを奪われ続け、しかしプレッシャーをかけ続けたこの試合において、彼がポイントにしていた我慢比べに勝った瞬間だったのです。
その後は被弾をするも圧倒的なパワーと、冷静なタイミングでパンチを痛打し続け、ロープに貼付けられている王者をレフェリーが抱きかかえました。
ホールが大歓声の中、チャーリー太田は逆転で新王者になりました。
6年のボクシングキャリアを駆け上がるようにしてここまでやって来たチャーリーは、確かにアフリカンアメリカンが持つ身体的なアドバンテージにおいて、日本人と比べ恵まれたものがあるかもしれません。
しかし、彼は日本人と比べそのアドバンテージ以上の厳しさの中、この国で生活してきました。
日本人が当たり前のようにして生活出来るこの国で、チャーリーは外国人として、そしてボクサーとして生活してきたのです。
その生き方がどれほど厳しいものであるか、日本に住む外国の方々、日本でボクサーとして生きている選手達、そんな同じ環境にいるものならば彼のここまでの苦労も感じる事ができるのではないでしょうか。
驚くようなスピードで成長してきたチャーリーのボクシング、それを支えていたものは、彼の身体的なもの以上にこの環境で著しく生き続けているその精神だったのだと思います。
チャーリー・チャンプ(チャンプ・チャーリー?)、おめでとう!本当におめでとう!
試合後のチャーリー太田選手のコメント
「とても難しい試合でした。
良い経験になりました。柴田さんは僕のしたい事をさせてくれず、とてもいい試合をしてました。
みんな楽しんでくれていたようで、嬉しいです。
今はどうしたらスキルアップできるか考えてます。
みなさん、応援してくれて、サポートしてくれて、ありがとうございます。」
■ 動画をUPしました。
2010.3.25 チャーリー太田(携帯用)
■ 写真提供:こんどうさんの写真館「チャーリー太田 東洋・日本タイトル挑戦」
↓他にも沢山の写真がUPされています。
(携帯で見られない方は、写真の枠の中をクリックすると見られます。)
(C)kondousanbox
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■ 写真提供:渡邊 文幸
渡邊文幸PhotoGallery(他の写真もUPされています。)
■ 東日本ボクシング協会公式携帯サイトボクシングモバイルの試合速報(有料)にも、試合内容と画像がUPされています。(無料ページもあります)
*新チャンプ・チャーリー太田選手がトレーニングをする八王子中屋ジムの練習風景
八王子中屋ボクシングジムの練習風景1(携帯用)
八王子中屋ボクシングジムの練習風景2(携帯用)
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