(写真提供:こんどうさん こんどうさんの写真館)
9月4日(土)「第482回ダイナミックグローブ/第27回ファイティング・スピリット・シリーズ/Wタイトルマッチ」
【メインイベント】
東洋太平洋&日本 S・ウェルター級タイトルマッチ 12R
チャーリー太田(東洋太平洋&日本S・ウェルター級チャンピオン/WBA世界同級13位/WBC世界同級27位/八王子中屋/16戦14勝10KO1敗1分)
vs
湯場 忠志(挑戦者 東洋太平洋S・ウェルター級7位/日本同級1位/都城レオスポーツ/44戦37勝28KO5敗2分)
結果…判定勝ち 3-0(115-114,116-113,116-113)
チャーリーVS湯場、高め合った互いの感情
会場に訪れ、一緒になって応援ししてくれた皆さん、本当に有り難うございました!
9月4日、後楽園ホールで満員の観客の中で行われた東洋太平洋&日本スーパーウェルター級タイトルマッチは、王者のチャーリー太田選手が指名挑戦者である湯場忠志選手を12回まで競い合い12回3−0の判定により勝利、東洋タイトルは2度目、日本は初の防衛に成功しました。
試合の終盤、リングに立つ両者が見せた打ち合いは、二人の勝利に対する執念であったと同時にまた、観客の皆さんが呼び起こさせたものでもあったのかもしれません。
多くの人が声を出し、手を叩き、応援し、そして何より誰もが楽しんだ事が、この試合を大きく盛り上げた最大の理由なのかも知れません。
そんな会場の中心にいたのがこの二人のファイターでした。
リング中央、視線を相手に向ける王者と、視線を下に向ける挑戦者、二人の視線は絡み合う事なく試合のゴングが打ち鳴らされました。
初回、チャーリーは距離を測るようにしてジャブを放ち、その後ボディに右ストレートを叩き込んでいく。一方、相手の湯場選手は身体に力みが見え、パンチと動きにいつものスピーディーさが見受けられません。そこでチャーリーはガードを下げトリッキーに動く中、主導権をにぎります。
その後、序盤は中々自分から仕掛けてこない湯場選手に対し、にじり寄るようにしてチャーリーが追う展開になっていきます。その中で、あらゆる意味を込めたパフォーマンスや時に固いガード、またはノーガードを見せ、様々な形でプレッシャーをかけて行きました。
4回からの湯場選手は固さが抜け、軽快にパンチを上下に放ち、足を使い試合にリズムを持たせます。チャーリーはそのリズムを崩すためによりシャープなジャブを打っていき対抗しました。
中盤は湯場選手が見栄えの良いまとめたパンチを出し、反撃に出たチャーリーにカウンターを狙ってきました。チャーリーはノーガードで追いかけ回し強打を打ち込む等して、互いの激しいペースの奪い合いが展開されていきました。
そんな中、7回まで殆どのパンチをブロックしていたチャーリーでしたが、初めて湯場選手の左ストレートを連打の中で直撃させられました。やはり伝家の宝刀、湯場選手の左ストレートは強力で、チャーリーは一瞬足が揃って棒立ちになりました。しかし、その後はしっかりとガードを堅めそのピンチを凌ぎます。
そして8回までのオープンスコアでは一者が湯場選手を、一者がチャーリーを、そしてもう一者がイーブンとしてここまでは三者三様のドローとなっておりました。
試合後もチャーリー自身が語るよう、湯場選手のパンチのほとんどはガードの上であり、自分のジャブがよりクリーンヒットしてポイントに繋がっていると考えていた為、このスコアには本人は驚きは感じていました。が、またその可能性はあった、とも陣営は感じていました。湯場選手の攻撃時に浴びせられる大きな声援が、彼の感情の籠った動きと会場の雰囲気を作り上げてもいたとも感じられたからです。
その意味で、この日のホームは王者であるチャーリー太田のものではなく、より観客を呼び寄せた挑戦者、湯場忠志選手のものだったのかもしれません。
その為、前回の試合ではより自分のペースにもポイントにもなっていたデビッドソン戦(詳しくはこちら)のようなイメージ、パフォーマンスだけで戦っていてはポイントを得る事が難しいのだとチャーリーは気づきます。
そこからチャーリーはより攻勢に出ました。より速く強いジャブ、ストレートを打っていき、ボディにフックを叩き込んで湯場選手を次第に後退させていきました。
そうして迎えた11回、チャーリーが開始と同時に前に出てアッパー、ストレートをねじ込んでいくと、湯場選手もそれに応えるように前傾姿勢になり左右のフックを、上下に叩き込んで来ます。この二人の攻撃的な姿勢に会場も大きく盛り上がっていくと、湯場選手が力強い左右のフックをチャーリーに叩き込み、両のグローブを弾いて叫びました。
あの湯場が叫んだ、
自分自信を奮い立たせるとともに、会場にいる彼を応援してくれている人達へのメッセージでもあったのかもしれません。湯場選手は更に連打を打ち続けチャーリーを責め立てました。
が、次にチャーリーが固めたガードから右フックを一振り、その一撃で湯場選手を後退させ、今度は彼が一声を上げました。湯場選手の叫びはチャーリーにも伝わったのかもしれません。
そして互いの選手がパンチを、応援する人達が声援を交互に浴びせる中、チャーリーが再三右を当て抜け出し、湯場選手に猛然と襲いかかっていきます。馬力あるチャーリーの攻めがこの終盤に残されていたのです。
最終12回、チャーリーは挑戦者を最後まで追い、湯場選手も王者の猛攻を凌ぐとともに反撃、最後はチャーリーが自ら決めようと強打を打ち続けた中で試合が終了のゴングが打ち鳴らされました。
判定の結果は3−0で王者の防衛。試合後の控え室で湯場選手は「もう一度チャーリーとやりたい」と現役続行宣言したそうです。
試合翌日のコメントでチャーリー自身も、そう遠くはない日、また僕らはリングの上で出会うかもしれないと、感じているようです。
KO必至と言われたこの二人の試合、あるいは完全な決着はもうすこし先にあるのかもしれません。
両選手、両陣営、試合に携わった皆さん、そして観客の方々、お疲れさまでした。更に本当にどうも有り難うございました。
そして、また宜しくお願い致します!
◎この日の写真と動画・両選手のコメントはこちら
*明日は荒川仁人VS大村光矢の日本ライト級タイトルマッチのリポートです。
◎チャーリー太田情報ブログ
◎第27回ファイティング・スピリット・シリーズ観戦ガイド
◎八王子中屋ボクシングジム interview room
チャーリー太田インタビュー【2010/9/4 東洋太平洋・日本タイトル防衛戦】(9.2up)
荒川仁人インタビュー 【2010/9/4 日本タイトル初防衛戦】(8.24up)
◎東日本ボクシング協会公式携帯サイトボクシングモバイルの試合速報(有料)にも、試合内容と画像がUPされています。(無料ページもあります)
*TV放映の予定(CS放送日テレG+)
9月9日(木)23:00~26:00
9月18日(土)25:00~28:00
9月24日(金)13:00~16:00
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