10月28日(木)「MG-1/OPBF東洋太平洋スーパーフライ級王座決定戦」〈後楽園ホール〉
◎ウェルター級 8回戦
中村尚平太(八王子中屋/20戦10勝4KO8敗2分)
vs
新藤 寛之(宮田/8戦7勝1KO1敗)
結果…5RTKO負け
手応え掴んだ攻、固めきれなかった守
皆さん、大きな声援ありがとうございました。中村尚平太の復帰第3戦は、過去の復帰戦の中でも一番の動きを見せてくれました。しかし、やりきるまでにはいたらず5回TKOにより敗戦となりました。
入場時、尚平太は入念なシャドーを見せ、身体のキレの良さを感じさせてリングへ上がって行きました。その時見せたステップとボディワークはそのまま1回へと繋げて行きます。開始と同時に前に出た尚平太は、右ボディを打ち自分のリズムを刻みます。そこへ相手の新藤選手は左ストレートを打ち終わりに狙って迎え撃って来ました。続く2回も、尚平太は相手の単発の攻撃を構う事無く左右のボディフックを叩き攻勢に出ました。
そうして良いリズムで終わろうとしていた2回ラスト10秒に入った時、サウスポーの新藤選手が繰り出したワンツーにより尻餅をつくダウンを喫してしまいます。相手の正面に立ってしまい足が揃ってしまった時のダウンだった為ダメージこそはありませんでしたが、流れを掴みかけていただけにもったいないダウンでした。
しかし、続く3、4回、新藤選手の左カウンターを時折被弾するも、尚平太はそれ以上にボディへストレート、左右フックを叩き込み、長身な相手の上体をくの字に曲げ始め、確実にスタミナを削り、ダメージを与えて折り返しの5回に突入しました。
その5回、先手を取ったのは新藤選手、試合全体を通じて当て続けた左ストレート後に連打をまとめ、尚平太を守りに回らせると、反撃して行く尚平太を更に連打で迎え撃ち、反応しきれていない彼を見てレフェリーが試合をストップしました。
この日、尚平太は自分の得意なスタイルではない戦い方で試合に臨みました。中へと切り込みボディを狙う。そして後半へ勝負を繋ぐ。それを実行する為に、尚平太はその当て感の良さと独特のリズムを犠牲にし勝利を目指したのです。そして確実にその流れは試合の中で見えて来ました。
しかし、それは同時に大きなダメージはもらわなくとも、見栄えの悪い被弾を多く受ける場面を増やす事にもなったため、試合は尚平太が削りきるか、新藤選手がチャンス時にパンチをまとめきるかの我慢比べのようになって行きました。
そうした中で、決して決定的なパンチを食らった訳ではありませんでしたが、そのせめぎ合いで抜け出た、レフェリーにそれを見せた相手の勝利は仕方が無かった事かもしれません。新藤選手は昨年の全日本新人王戦から遥かに強くなっていました。そんな相手に尚平太はもう一押し攻め、もう少し固めて守りきる事が出来ませんでした。力を出した、しかし出し切れなかった悔しい敗戦となりました。
しかし、今年の1月に約6年のブランクから帰って来た中村尚平太の復帰戦は、強豪達との対戦の連続でした。初戦の加藤壮次郎選手は9月の決定戦で新日本王者となり、復帰2戦目の4月に対戦した高山樹延選手は当時10位だったランキングを現在5位にまで上げ、この3戦目で対戦した新藤選手の動きは確実にランカークラスの実力を見せました。
そうした相手との戦いで、あるいは本人が感じている以上に身体にはダメージが残っているのかもしれません。だからこそ今、尚平太がすべき事は1年間、必死でブランクを取り戻そうと鍛えた身体をまず休め、そして勝利する為に懸命に使った心を癒し、そこから自分がどうすべきなのか、どうしたいのか、の答えを出す事なのかもしれません。
尚平太のその優しい人柄を示すように、この日も多くの仲間が大きな声援を彼に送ってくれました。それが彼に届いていない訳はありません。その声を胸にしみ込ませ、彼は休息を過ごす中、これからの事をじっくりと考えていくと思います。その彼の決断が出たとき、この日と同じく皆さんの温かなサポートがある事を願っております。
この日も、何度も尚平太を応援してくれている皆様、本当に有り難うございました!
しばし彼を、その独特のリズムを持った!中村尚平太をお待ち下さい!
有り難うございました!
■ 写真提供:渡邊文幸
渡邊文幸PhotoGallery(下の5枚以外の写真もUPされています。)
■ 写真提供:こんどうさん
こんどうさんの写真館(下の5枚以外の写真もUPされています。)
◎試合組合せ表(日本ボクシングコミッションHPより)
◎東日本ボクシング協会公式携帯サイトボクシングモバイルのボクシングニュース(有料)にも、試合内容と画像がUPされています。(無料ページもあります)
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