【S・フライ級 8回戦】
野崎 雅光(日本S・フライ級6位/12戦10勝4KO2敗/八王子中屋)
vs
久保 幸平(12戦9勝5KO2敗1分/セレス)
結果…判定勝ち2-0
野崎雅光VS久保幸平 対応力を得る為に
2月14日、日本ミドル級タイトルマッチのセミセミで行なわれた日本スーパーフライ級6位の野崎雅光と3連続KO勝利中の久保幸平選手の8回戦は、前半に相手に奪われた試合のペースを、ボディ打ちで中盤、そこからのコンビネーションで後半に取り戻し2−0の判定で野崎が勝利を収めました。
2009年の9月に東日本新人王準決勝で対戦した二人。その時は野崎が辛くも、しかし明確に2−0での判定勝利で決勝へと駒を進めました。それ以来の両者の対戦は初戦以上に激しい試合展開となりました。
序盤、先にペースを掴んだのは久保選手。スピード溢れるパンチをボディに顔面へと散らしてきました。それに対し野崎はジャブを使って距離を探りながら右ストレートへと繋げます。それでも、独特のサウスポースタイルの間合いは野崎の距離感を鈍らせ、いつもの小刻み良い出入り、コンビネーションへと持ち込む事が出来ませんでした。
しかし、3回には野崎が右のカウンターを決めると、続く中盤からはボディ打ちから活路を見出し、更に上へのコンビネーションで次第に久保選手の運動量を削って自分のペースを掴みます。そして後半の7回には久保選手の膝を折る程の右カウンターを決め、その後は仕留める寸前の所まで持ち込み最終回へと試合は持ち込まれました。
「前回の試合に負けて以来、野崎の事だけを考えてボクシングをやっていた。」
久保選手は試合前のインタビューでそう答えたと聞きました。それはこの試合が正式に決まる前から野崎の耳にも入っていました。これはただのリベンジ戦ではなく、相手にとってはタイトルマッチにも似たモチベーションであるのだ、と感じさせました。しかしだからこそこの試合を中屋会長は組みました。野崎はその更に上を行かなければならなかったから、そんな相手を練習の中で超えるのではなく、試合の中で対応する姿を見せてほしい、そう会長は願ったのです。
当初、多くの関係者に危険な相手を選んだと言われたこの試合。しかしそれに向け、野崎は特別な準備をしませんでした。行なったのはサウスポー対策のセオリーのみ。
あるいは、もし負けてしまえば、それを言い訳にする事等到底出来ない程の惨めな敗戦となる危険があったと言えます。それでもあえて会長はこの試合はそのようにして迎える事を決めました。何故ならそれは練習では到底得難いであろう、試合中での対応力を更に身に付けてほしかったから。野崎にはこの試合で更に先に続く経験を、本番の中で、自分の力で身につけてほしかったからなのです。それがこの試合の狙いでした。
そんな最終回、両者が最後まで手を休める事なく攻め続けました。一時は追いつめていた野崎でしたが、そのとどめを刺す事が出来なかったのは久保選手のその決意の強さが、野崎のそれを上回ったからなのだと思います。
判定は2−0での勝利はありましたが、野崎にとっては勝利以上のとても大切な経験を積む事が出来ました。この経験を活かし、野崎はこれから特別なレベルへと向かいます。
そんな野崎の経験力を次の試合でも感じて、更なる応援を宜しくお願い致します!
■ 写真提供:こんどうさん
こんどうさんの写真館(下の6枚以外の写真もUPされています。
■ 写真提供:渡邊文幸
渡邊文幸PhotoGallery(下の5枚以外の写真もUPされています。)
◎野崎雅光情報ブログ
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