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  林和希故、、


(撮影:武士道ボクシング)

【S・ライト級 6回戦】
林 和希(八王子中屋/7戦5勝5KO1分1敗)
  vs
蓮沼テツヤ(角海老宝石/10戦5勝3KO2敗3分)

 結果…判定負け3-0(59-56,60-55,60-55)

 9月2日(金)に行なわれた林和希の試合はワンツー主体のボクシングに徹した蓮沼選手を最後まで捉えきれず、3−0の判定負けとなりました。

 今回の林の試合、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

 彼の試合を楽しみにしてくれていた会場に集まったお客の方々、彼を支える後援の方々、その結果、その内容は誰一人納得させられるものではありませんでした。

 また勝利の為に自分のスタイルを変えてまで、準備、そして試合の中で対応してきた蓮沼選手に対しても申し訳ないものでした。

 何故そう思うのかと言えば、負ける可能性が各回を追うごとに増していたのにも拘らず、林がそれを打開しようと全てを出し切ったとは言いがたい試合を見せたからです。

 林の今回の試合はお客の方々に対しても、また戦っている彼にとってもプロとして、あるまじき内容だったと思います。

 しかしまた、それをさせられなかったジムにも問題はあったと思います。

 それをさせるのがジムの役目でもあります。それゆえ、選手一人だけで戦っているのではないという信念のもと、八王子中屋ジムは選手達をサポートし続けているのです。一人では強くなれも、なって行く事も出来ないと言い続けているのです。

 しかしそれでも、通常、6回戦のボクサーに対し本物のプロとしての試合を望みはしません。むしろそう言ったものはメインに近づく各トップボクサー達に任せるべき事でしょう。普通ならば林のような6回戦のレベルは何より自分の為に戦う事だけで精一杯なのだと思います。

 しかし、林には自分の知らない所に、彼を注目する、期待するファンがいる、何らかの華のある特別なボクサーといえました。

 林の同僚のチャンピオン達が彼と同じレベルにいた頃、ジムからの期待はあったとしても、この競技のファンから彼程の注目を受けてはいませんでした。

 しかし林和希は今回の試合でそんな注目を受けていました。

 だからこそ彼には6回戦ながら、お客に対して示さなければならないものがありました。それは本人も分かっていて、その責任が取れなかった事に何より落胆しているのは誰より本人自身のはずです。

 今回の完敗から、何が学べるか?

 林にとっても、ジムにとっても今回は誇りと信念が折れてしまったような試合でした。

 それを取り戻す為に出来る事は、一つしかないでしょう。

 その一つを得る為に、林は今、現実に向かい合っているのかもしれません。

 それにしても、だ。

 試合の時、リングの中、最後まで大きな声援を送ってくれた仲間、友、ファンの声が林には聞こえていただろうか?
 
 大きな声援を送って下さった皆様、誠にありがとうございました。
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